布引の滝は、雄滝・雌滝・夫婦滝・鼓が滝の四つの滝からなり、生田川となって神戸港に注いでいる。水源は六甲山系の獺池で摩耶山、再度山の水を集め落下、滝を落ちる水が布が垂れているように見えるためこの名がついたと云われる。滝見物の歴史は古く、在原業平の伊勢物語にも登場する。
栃木県日光の華厳の滝、和歌山県那智勝浦の那智の滝と共に、日本三大神滝として「日本の滝百選」に選ばれ、名勝として古来より親しまれてきた。
新神戸駅のすぐ裏にあり、深山幽谷の雰囲気がこれほど都心に近いところで得られるのは、全国的にも大変珍しい。明治時代には観光客は人力車を連ねてここへやってきて、滝見客で夜でも賑わったという。
雄滝は高さ43㍍、布引の滝の中では最長。滝壺は430立方㍍、深さ6.6㍍。雌滝は高さ19㍍でしなやかで上品な流れ。いずれも新神戸駅から約5~10分で来れる。
日光華厳の滝、紀州那智の滝と共に日本三大神瀧と称され、古来から名勝として知られてきた布引の滝は、平安時代の昔から数多くの貴族、歌人達が訪れ、多くの名歌が詠まれたことでも有名である。
神戸市によれば、明治の初年に「花園社」という市民団体が、滝の周辺を布引遊園地として、平安時代から江戸時代にかけて詠まれた布引の滝の名歌の碑36基を建設した。これらはその後散逸していたが、神戸市が順次復旧を進め、2007年(平成19年)に完成した。そのうち17基は、布引の滝に向かって新神戸駅からみはらし展望台に至るハイキングコース沿いに点在する。
徳光院に参詣の際、布引の滝を巡り、歌碑の道を散策するのもまた楽しみの一つである。
布引の滝からハイキングコースをさらに北上すると布引ダムがある。このダムは、生田川水系の布引谷川を水源とした神戸市民の貴重な水道施設で、1900年(明治33年)に完成した。六甲山系を源とするこの布引の水は、「神戸ウオーター」として神戸港に寄港する外国船に貴ばれ、現在も環境省の名水100選の一つに指定されている。また、2006年(平成18年)7月に日本最古の重力式コンクリートダムとして国の登録有形文化財にも指定。
新神戸・北野から新型ロープウエイでハーブ園山頂まで約10分。ゴンドラの広い窓から、神戸の景色と共に布引の滝、布引ダムが一望できる。ここは約200種、75,000株の花が、四季咲き誇る日本最大規模のハーブ園である。園内には14のガーデンエリアがあり、各エリアのテーマに合わせて、四季ごとに様々な姿が楽しめる。眼下には神戸景色や遠くは大阪湾まで見渡せる。(神戸市中央区北野町1 ℡078・271・1160)
徳光院境内の西側登山道を滝道に沿って徒歩約2分北上すると、布引のみはらし展望台に出る。
眼下に、神戸港、ポートアイランドや神戸空港などを見下ろし、神戸市街地の中心部が一望できる。天候が良ければ、遠く和歌山が対岸に見える、神戸一番の絶景ポイントである。
日々訪れる滝見客やハイカーたちの休憩地として広く親しまれている。
臨済宗 天龍寺派 大圓山 徳光院
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