「山門」修復工事・完工致しました

修復で鮮やかな朱色に蘇った山門
修復で鮮やかな朱色に蘇った山門

 山門修復工事は、皆様の多大なるご支援とご協力により、先月上旬無事完工致しました。

 山門と言えば、禅宗寺院に限らず寺院にある全ての門(南門、東門や西門など)をさすのですが、平安時代以降は、寺院が山岳地帯に建立されるようになり、山号を付けて呼んだ名残から、寺院が平地にあっても山門と称され、、別称「三門」とも呼ばれてきました。

特に、禅宗寺院における山門は、「空門」「無相門」「無願(作とも)門」の三境地を得て仏国土に至る門として「三解脱門」を表すとされ、禅宗独特のものです。

 「三解脱門」とは、禅における悟りに入るための三要素のことです。修行で悟りに至るために通過しなければならない三つの関門、即ち「一切の姿形は空(空解脱門)」、「比べるべきものなど何もなく(無相解脱)」、「何もないものに望むことなどできない(無願解脱)」という、要するにどれも物事にとらわれないことを意味しています。山門は寺院の正門を表すだけでなく、仏教の教理を表す象徴的な門であることを示しているわけです。

 当然のことながら、当山の山門も当院のシンボルであり、重要文化財の多宝塔や開山堂、弁財天などと並んで、最も重要な建築文化財として堅持、管理されるところとなっています。

 皆様におかれましても、是非お参りいただき、修復なったこの美しい山門をご拝観されますよう願っております。

大圓山 徳光院

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