恒例の開山忌法要を執り行いました

「白露」と言えば、本格的な秋が訪れ、草花に朝露がつき始める、そんな時季です。本堂南面の庭に植えられた薄にも幾らか穂が顔を出し始めたかに見える。

平成28年9月10日(土曜日)午前10時から、恒例の開山忌が開催された。今回の法話は、「精進料理を考える」と題して、本院と縁の深い、亀岡・徳壽院の住職山崎紹耕師が行いました。

山崎師は、花園大学で講師として教鞭を執る傍ら、毎年12月には2泊3日の合宿を行い、食事の提供を通して、後輩僧侶の教育と料理の普及にも努められれている。合宿では、生姜飯や「国清汁」(お米のとぎ汁で作るエコ料理)などが参加者の学生に中々の好評を得るそうです。

精進料理は、その発展過程から「極東の郷土料理」とも呼ばれ、和食の基本形でもある。多くの若者達に食べてもらい、是非この伝統を後世に伝えたいと頑張っておられれるとのことです。

元来、精進料理の「精進」とは修行するため、すなわち精魂を傾け修行に邁進する意味合いが込められている。修行の戒律として有名な「五観文」に示されているとおり、「謙虚に、味わい、食べ過ぎず、生命の維持と修行の完成」を目指すこと。戒律だからといってそれは命令ではなく、心で感じ取ることにこそあるという。

短時間の法話ではありましたが、佛教1700年の歴史の中で位置付られた、身近で有意義な料理の話が楽しく聞けました。最近、和食がユネスコの無形文化遺産に登録されたが、この際、私達は食について考え直してみるのも必要かと思われました。

引き続き11時から、厳粛に開山忌法要が行われ、正午には、出席者全員は斎座に着きました。昼食に出された料理は,もちろん当院謹製の精進料理であったことは言うまでもありません。

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